治験という言葉を聞いたことはありますか?「治験バイト」「治験ボランティア」と呼ぶこともあります。この仕事には高額の対価が支払われます。
ですが正確なことを言いますと、治験をボランティア、アルバイトやパートと呼ぶのは正しくありません。「治験従事者」と呼びます。
治験は医療や社会に貢献することを目的とした自発的な参加であり、生計を立てるためのアルバイトとは異なります。
治験は、ボランティアとも言いますが、報酬は支払われるため、治験に参加される方のことを総称して「治験バイト」と呼びます。
報酬は、治験を実施する医療機関から支払われます。報酬は通常、金銭の形で支払われ、金額は治験の対価に相当することが多いです。
当記事では一般的な名称である「治験バイト・治験ボランティア」とあえて書いていきます。
治験ボランティア募集
医薬品開発において、臨床試験は非常に重要です。法的に義務付けられた組織は、金銭の支払いを誘導することで参加者を募集することはできません。
ですが製薬会社は、公式にボランティアの募集を求人媒体に委託することはできません。
ボランティアを募集する際、いかなる求人媒体も
- 「治験のアルバイト」
- 「新薬のアルバイト」
- 「高収入のアルバイト」
などの言葉を使用してはならないのですが、実際の所グレーゾーンになっているのが事実です。
給料ではなく、負担軽減
臨床試験に参加する際の交通費や有給休暇は、ボランティアに負担していただきます。
しかし、それだけでは治験に参加する人たちにさほどメリットがない為、経済的負担を軽減するための任意の支払いとして報酬が支払われます。
以前は「治験協力金」と呼ばれていましたが、現在は「負担軽減費」と呼ばれています。
臨床試験にボランティアが参加することによるマイナス面を回避するために設けられたものです。
負担金の額は、治験の内容によって異なります。主に4つのカテゴリーに分類されます。
時間的な負担
臨床試験には決まったスケジュールがあります。ボランティアは、臨床試験中に仕事を休んだり、他の予定が入ったりしないように、時間を計画的に使う必要があります。
臨床試験には、入院型、通院型の2種類があります。
臨床試験にはそれぞれスケジュールがあり、治験に参加する期間が長ければ長いほど、費用は高くなります。
入院による臨床試験は比較的期間が短く、患者さんは数日や1週間程度で帰宅することが多いです。
1回の治験のみで入院する場合もあれば、年に数回入院する場合もああります。
入院が必要な臨床試験に参加される患者さんは、通院できること、各種規制を遵守することが必要です。
潜在的なリスク
治験は、ある薬が人間にとって安全であることを証明するために行われます。
日本の臨床試験は、外国の医薬品を日本の患者さんに投与した場合の安全性を確認するために行われます。
これらには、未承認の製品や医薬品が含まれる可能性があります。副作用や薬物有害事象は、ボランティアに重大な結果をもたらす可能性があります。
副作用として、吐き気、嘔吐、便秘などがあらわれることがあります。副作用は人によって軽かったり重かったりします。
臨床試験を開始する前に、医師はこれらの潜在的なリスクについて説明します。あなたの体調を十分に説明し、治験を考慮することができます。
副作用や身体的負担が大きい臨床試験は、負担軽減のための報酬が高くなります。
経済的負担
臨床試験への参加には、費用がかかる場合があります。
この費用には、施設までの交通費、薬代などが含まれます。臨床試験に参加するために必要な費用ですが、これは負担金として相殺、またはプラスになるものです。
制限
治験期間中は、生活習慣の制限を受ける場合があります。これは、臨床試験データを外部の影響から保護するために行われます。
薬物実験では、飲食や他の薬の使用はできません。入院して行う臨床試験では、参加者が施設を離れたり、家に帰ったりすることは許されません。
外来臨床試験および食品試験の参加者は、運動、旅行、海外渡航、出張に関する厳格なガイドラインに従わなければなりません。
朝昼晩の3食をしっかり食べるという一貫した生活習慣が必要です。これにより、生活習慣の変化による体重の変動や血液検査の結果が悪くなることを防ぐことができます。
年齢制限や身長制限など、多くの条件や制約があり、参加者に特定の方法で参加してもらう臨床試験は、負担軽減の可能性が高くなります。
治験の種類
治験は大きく2通りあります。
外来治験
入院を必要としない、数分〜30分程度の外来診療です。この治験は、レポート、毎日の報告などを含みます。
外来臨床試験は、化粧品やサプリメントなどの製品試験にも最適です。また、自己負担額も少なくなっています。
入院治験
入院して行う臨床試験は、期間が長く、条件も厳しいため、外来治験よりも負担軽減費が高い場合が多いです。
国の最低賃金が930円なので、入院治験には1日約2万円の負担軽減費が入ります。宿泊数に直接関係しますので、総費用は外来臨床試験より明らかに高くなります。
負担軽減のための費用(謝礼)を検討する際には、外来通院か入院かの点を考慮する必要があります。
治験のボランティアは、普段の仕事とは違う体力や事務作業が必要です。
というのも、一つの治験を終えれば、すぐに次の治験に参加でき、より多くのお金を短期間で受け取ることができると考えるのは間違いです。
臨床試験には休薬期間があります
臨床試験終了後は、データの整合性を確認し、被験者の安全を確保するためのフォローアップ期間が設けられています。
体外に排出された実験薬の化合物が完全に消失するまでには時間がかかる場合があります。参加者は1年以上次の治験に参加することはできません。
また、毎年採取できる血液の量には限りもあります。
治験で使用する薬剤によって、休薬期間が決まりますが、比較的軽いものでも、次の臨床試験に参加するためには、3ヶ月から6ヶ月待つ必要があります。
また、同時に2つ以上の臨床試験に参加することはできません。
治験バイトを選ぶ際の注意点
参加するために金銭を支払う意思や義務があることを示唆するような表現は使用できません。
金銭的・経済的利益を目的とした治験への参加誘導とは、金銭を支払う意図や計画があることを示唆する表現と定義されます。
あくまで治験に参加される方は、自発的に参加されるものであり、ボランティア(治験応募者)として扱われます。
これは、治験施設が治験の倫理を理解し、ボランティアに敬意をもって接していることを示さなければなりません。
そのサイトが信頼できるかどうかを見極めるポイントになります。
費用負担金の受け取り方
費用負担の支払いは、現金または銀行振り込みで行われます。
これらの支払方法は、治験の内容を反映したものではなく、治験を実施する医療機関の基準によります。
入院を伴う臨床試験の費用負担は、一括して支払われることが一般的です。また、長期の外来治験については、受診のたびに自己負担が発生する場合がありますので、月払いのケースもあります。
これは、スケジュールが予測できないこと、ボランティアが脱落する可能性があることなどが理由です。
治験のメリット・デメリット
実際に治験をやってみようと考えている方へ、メリットとデメリットをご紹介します。
メリット
- 経験豊富な治験責任医師による十分な相談と検討により、安全に治験を実施することができること。
- 健康な方は無料で受診できます。
- 既存薬と比較して、より高い効果が期待できる。
- 臨床試験に参加・協力することで、社会は新薬の開発を促進し、次世代に残すことができるのです。
デメリット
- 治験実施医療機関及び治験実施スケジュールが決まっており(治験により異なる)、治験実施医療機関への移動時間、交通費、スケジュール等の調整が必要であること。
- 治験に影響を与える可能性のある行為について、制限や注意事項があること。また、臨床試験によっては、記録や薬のファイルを自宅で保管することが求められる場合があります。これは、人によっては問題になることがあります。
治験バイトを探すなら
治験は負担金(報酬)が高い分リスクもあります。しっかりとしたサイトで探すべきです。
コーメディカルクラブ
コーメディカルクラブは、2012年に設立された北里研究所病院のボランティア組織としてスタートした治験ボランティア募集サイトです。
株式会社シスモールという会社が運営しています。
最近では、コロナウイルスワクチンの治験を募集していることで注目されているサイトです。
クリニカルボランティアサポート
クリニカルボランティアサポートは、株式会社マックスメディカルが運営する治験サイトです。
同社は、被験者ボランティアの支援事業を行っており、同社が運営する治験サイトでは、様々な案件の募集を行っている。
入院・外来を扱っており、所在地は東京都杉並区です。
クリニカルボランティアサポートは、コ・メディカル・クラブなどと並ぶ大手治験サイトの一つです。
どちらも信頼のできる治験のサイトですので、両方登録して案件を比較してみましょう!